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成増アートギャラリーで美術史講座 シュールレアリスムのマグリットを解説

講義を行った森耕治さん(写真提供=成増図書館)

講義を行った森耕治さん(写真提供=成増図書館)

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 美術史家の森耕治さんによる美術史講座「マグリットの隠された素顔と名作解説」が1月25日、成増図書館(板橋区成増3)併設の成増アートギャラリーで行われた。

「ピレネーの城」をはじめとして、「窓」「光の帝国」など、マグリットの代表作を多数紹介した(写真提供=成増図書館)

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 森さんは5歳の頃に油絵を始め、ソルボンヌ大学やルーブル学院などで学んだ。2009年にマグリット美術館が併設された王立ベルギー美術館の公認解説者となり、ヨーロッパの国立美術館では初となる日本人の公認解説者、「日本ヨーロッパ宮殿芸術協会会長」として、日本とヨーロッパの国際交流や美術講演会を精力的に行っている。

 講座では、マグリットの生涯やどのような発想や捉え方で絵を描いていたのかを解説。マグリットの絵は二重性で構築され、「日常の中に異質が差し込む発想」があり、「現実と異界が交差する作品」であると紹介。初期の作品は第1次世界大戦、後期は第2次世界大戦や冷戦の影響を受け、矛盾の中に生きたくないという内面的な問いを抱えつつ、晩年には広い世界へと視線を向けるようになっていったという。

 森さんはマグリットの後期の代表作である「光の帝国」について、「昼と夜という相反するものが一つの画面に存在する。矛盾した光景はマグリットの人生そのものを映し出しており、彼の絵に描かれているのは『世界は本当に私たちが思っている通りに見えているのか』という誰もが胸の奥で一度は感じたことのある問い。しかし、マグリットは答えを提示することを拒み、自分自身で確かめ直すための場を作品の中に用意した」と説明した。

 森さんは「シュールレアリスムの絵は、画家の夢の世界で一緒に遊んでほしい。絵を楽しむには先入観なしで、きれいだな、怖い絵だなという素直な気持ちで見てほしい」と呼びかけた。

 同館は併設しているアートギャラリーで、落語会や絵本作家の講演会など、一年を通してさまざまなイベントを開催。成増図書館の伊藤のぞみ館長は「今後も図書館で企画していることもあるが、ギャラリーは一般の方も利用できる。初めての個展や創作活動の成果をお披露目する場としても利用してほしい」と話す。

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