東京商工会議所板橋支部が、設立50周年の記念事業としてオリジナルクラフトビール事業を始めた。
1974(昭和49)年に創設された東京商工会議所板橋支部は、2024年11月で設立50周年を迎えた。同支部は、板橋区が江戸時代に江戸四宿(内藤新宿、品川宿、千住宿、板橋宿)の一つとして栄えた宿場町であることに着目。当時の生活に目を向けたところ、「ヒイル酒」(=現在でいうビール)が生産されていたという記述が1873(明治6)年の東京府の調査資料にあった。製造方法や生産者、種類などは不明だが、明治初期の資料に宿場町のビールが登場するのは珍しいことだという。同支部ではこうした史実と板橋の象徴である「クラフト(技術や手工業)」を融合させ、50周年事業の一環としてオリジナルクラフトビール事業を企画し、現代版の「ヒイル酒」を造った。
「クリームエール」というエール酵母で作るアメリカンライトラガースタイルのビールで、「すっきりしたのど越しが特徴」だという。「江戸四宿『板橋宿』×モノづくりの街『板橋』~150年前と変わらない風景近場で一杯~」をコンセプトに、3種類の候補から試飲して決めた。
缶のラベルには、150年前にヒイル酒を作ったであろう人と今の人を、木製の橋が架け橋となってつなぐ様子を描く。背景には、板橋を象徴する花火や区役所の庁舎などの絵もあしらう。
オリジナルビールは、1月23日に行われた同支部の設立50周年記念式典・新年賀詞交歓会でお披露目。試飲した人からは「すっきりしていておいしい」「飲みやすい」という声が聞かれた。現在は区内の飲食店を通して振る舞い酒として無料で配布している。