板橋区は8月29日夕方、台風10号の影響を考慮し、「東京都・板橋区合同総合防災訓練」「いたばし防災+(プラス)フェア2024」の中止を発表した。
資生堂美容技術専門学校(板橋区加賀2)とのコラボ企画「防災×美容」動画の配信も
中止の理由として、板橋区公式発表では台風10号が強い勢力を保ちながら九州に上陸したのを受けて今後本州を縦断する恐れがあること、台風本体から離れた地域でも線状降水帯の発生などにより大雨が発生した地域もあり広い範囲で厳重な警戒が必要なことに加え、「甚大な被害が発生した場合、全国の救出救助機関や自治体職員等に対する応援要請の可能性がある」ことなどを総合的に判断した、としている。
城北中央公園内の区立上板橋体育館(桜川1)で9月1日に開催予定だった「いたばし防災+フェア2024」は、「防災+宇宙」「防災+スポーツ」をテーマにさまざまな体験企画やアニメ上映、講演会、競技イベントなどを行う予定だった。
「東京都・板橋区合同総合防災訓練」は首都直下地震の発生を想定して東京都と合同で行い、都立城北中央公園陸上競技場(小茂根5)をメイン会場に、同園内の周辺地で8月30日~9月1日の実施を予定していた。区と都が合同で行う防災訓練は1982(昭和57)年以来42年ぶりで、消防・警察・自衛隊・区医師会・区歯科医師会などの関係機関、住民の参加を前提に体験型企画も合わせた大型訓練イベントを予定していた。関係職員は「地震や台風被害などの不安が高まる中で意義のあるイベントだったが、参加者の安全や、関係各所の事前の防災対策を考えると中止は仕方ない」と話していた。
区は30日12時、土砂災害警戒情報が発令されたことに伴い、不安などから自主的な避難を希望する区民向けに板橋第八小学校、上板橋第二小学校、成増小学校、徳丸小学校、志村第一中学校、赤塚第三中学校の6施設に自主避難所を開設。雨脚が収まったのを受け、利用状況なども鑑みて17時に閉鎖した。
「いたばし防災+プロジェクト」を手がける区地域防災支援課職員は「イベント準備を進める様子を撮影したショート動画を『いたばし防災+チャンネル』に公開した矢先の中止決定だった。中止は残念だが、『いたばし防災+フェア』は2025年秋頃の開催に向けてまた準備を進める。地震や台風被害などで全国的に不安が尽きない中で、これまで災害に関心がなかった人も楽しみながら災害への備えを知り、学んでもらえるような動画コンテンツも毎回工夫を凝らして企画・発信していきたい。2022年に開催した第1回のフェアのライブ配信映像、『防災×美容』のコラボ動画、ハザードラップ、避難所体験VRなど、この機会に『いたばし防災+チャンネル』を知ってもらい、視聴して災害の備えにもつなげてもらえたら」と呼びかける。