イタリア北部の都市ボローニャで毎年開催される児童書のイラストレーション・コンクールの入選作品を紹介する「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」が現在、板橋区立美術館(板橋区赤塚5)で開かれている。
58回目を迎える同展は、世界81の国と地域3520人からの応募があり、日本を含む32の国と地域の78人が入選。入選作家の全ての原画を展示している。多様性を重視し、多彩な表現、テーマ、技法による新しい絵本の世界に触れることができるのが特徴。
今回のポスターのイラストは、2021年にボローニャ展に入選したイラストレーター波田佳子さんによるもの。特別展示として、昨年「ボローニャSM出版賞」を受賞したイタリアの絵本作家、アンドレア・アンティノーリさんの新作絵本を紹介するほか、優れた児童書に贈られる「ボローニャ・ラガッツィ賞」特別部門を受賞した下田昌克さんの「死んだかいぞく」の原画8点も展示する。
7月2日には「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」のディレクターであるエレナ・パゾーリさんの講演会も開かれた。今後も講演会や子ども向け「しかけ絵本作り」のワークショップなどのイベントを開く。1階のアトリエでは、国内外の絵本や入選作家のポストカードなどの限定グッズも販売。
同館学芸員の高木佳子さんは「夏休みに入ると小学生の来館も多い。展示室では絵本の原画と共に、海外の絵本もたくさん紹介しているので、お気に入りを見つけてもらえたら」と呼びかける。
同館は「東京23区初の区立美術館」として1979(昭和54)年に開館。板橋区は1981(昭和56)年に「第1回ボローニャ国際絵本原画展」を開いて以来、ボローニャ市との交流を続けており、絵本を通じたさまざまな活動や取り組みにより「絵本のまち板橋」を区のブランドとして展開、推進している。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般=650円(65歳以上は半額)、高校生・大学生=450円、小中学生=200円。土曜は小中高生観覧無料。8月12日まで。