大山を中心に持続可能な開発目標(SDGs)の推進に取り組む「ひまわりカフェ・いきいきラボ」が5月16日、「みんなの居場所」を始める。
同団体は月1回(第3木曜17時~18時)、ハッピーロード大山商店街のシェアキッチン「かめやキッチン」(板橋区大山町)で、カレーライスや天丼、焼き肉丼などを18歳までの子どもは無料、大人は1食200円で提供する「ひまわりこども食堂」を開いている。イートインのほかテイクアウトも可能で、毎回約100人分が売り切れる。「みんなの居場所」は同日の日中、コーヒーや和菓子を提供する予定。
曽根泰子さんは母親の小林末子さんを代表者として、地域の高齢者を元気づけたいとの思いから友人6人で2022年6月にラボを立ち上げた。たんすに眠っていた着物や帯の端切れで作ったバッグや、ペットボトルキャップを使ったメモスタンドなどを自宅や区の福祉関連イベントで展示・販売することからスタート。2023年3月には近所の仲間と共に、作品の販売や音楽の演奏会などを「かめやキッチン」で開いたところ、利用者から「こども食堂をやってほしい」との声があり、2023年10月より運営。これまで7回、開いた。
こども食堂の利用者は幼児から高校生まで幅広く、仕事などで忙しい母親が家族の分をテイクアウトする例も増えている。人気メニューはカレーライスで、食材のほとんどをハッピーロード大山商店街の店から調達する。「鮒忠大山店」からは揚げたてのコロッケや唐揚げ、「大曽ストアー」は野菜や肉の提供、天丼やかき揚げ丼は、遊座大山商店街の「お蕎麦(そば)とお酒 さんぽ径(みち)」が協力。ボランティアスタッフも徐々に増え、保育士や主婦など12人になった。曽根さんは「右も左も分からない中で挑戦してきた。当初スタッフは9人、食事は30人ほどの予定だった。活動を始めて、たくさんの人との出会いがあり、自分も成長できた」と振り返る。
活動資金は板橋区の助成金を活用している。今年1月からは、いたばしNo.1実現プラン2025 重点戦略I SDGs戦略の「街かどフードパントリー」を利用し、こども食堂利用者へ向けフードドライブも開始。曽根さんは「SDGs活動を進めるうえで、具体的で分かりやすく身近な取り組みだと感じていた。少しでも皆さんに喜んでもらえたら」と話す。「みんなの居場所」については、多世代交流の場をつくりたいと考えたという。「こども食堂の日に店の前を通りかかった高齢者が声をかけてくれることもある。コロナ禍以降外出を控える高齢者も多いと聞くので、これを機に子どもも大人も一緒に楽しい時間を過ごしてもらえたら」。今後は、板橋区が力を入れている「いたばし子どもの居場所」としてこども食堂の継続と、夏休みなどを利用した学習支援や多世代交流の場の提供も準備を進めている。
「みんなの居場所」は14時30分~16時30分。年齢を問わず誰でも利用可能。コーヒー(50円)、「いたばしのいっぴん」からセレクトする和菓子(120円~)を用意。こども食堂は17時~18時、18歳までの子どもは無料、大人は200円(大人のみの利用は不可)。事前予約は5月8日~14日、メールで受け付ける。予約なしでも利用できるが、料理がなくなり次第終了。