板橋・中山道沿いの「福芳(ふくよし)材木店」(板橋区志村2)と愛染通り沿いの「堀口材木店」(双葉町6)に今年も、新年恒例の干支(えと)看板が飾られている。
材木店では古くから、正月を迎える前に「林場(りんば)」と呼ばれる材木置き場や店先に長物の角材を整えて並べる慣習がある。干支看板は、その並べた角材を巨大なキャンバスに見立て、新年の干支をモチーフにした図柄を描いたもので、独自に制作することもあるが、近年では木造建築のPRを兼ねて業界団体が用意したものを仕入れて飾りつけるケースが多いという。
福芳材木店の創業は1935(昭和10)年。2006(平成18)年に現在地に移転する前は同じ中山道沿いで板橋区小豆沢1丁目に店を構えていた。福田成男(しげお)社長は「先代が社長に就任した1987(昭和62)年当時には、既に干支看板を飾っていた記憶がある。仕事納めは12月29日だが、末広がりの縁起を担いで、うちでは昔から毎年前日の28日に飾っている」と話す。干支看板は予め資材の加工場で絵柄が施されたもので、加入する木材協同組合で仕入れているという。
堀口材木店も同じ木材協同組合に加入しており、同店従業員によれば、「25年くらい前から干支看板を飾るようになった。毎年12月29日ごろに飾っている」という。
同店の干支看板を毎年撮影しに訪れるという近隣在住の40代女性は「ここ数年は散歩がてら毎年足を運んで、撮影した画像をインスタグラムにアップしている。地域の風物詩として、新年を迎えたなという温かい気持ちになる」と話す。