板橋区内各所で10月14日から開かれていた「いたばし文化財2017ふれあいウィ―ク」が11月12日、閉幕する。
同イベントは、11月3日の文化の日を中心に都内全域で文化財の特別公開や関連イベントを実施する「東京文化財ウィーク2017」参加事業として、板橋区教育委員会が毎年10月下旬から11月上旬にかけて行っている。
板橋区内には現在178件の文化財が登録・指定されていて、区立郷土資料館や寺社仏閣で通年公開されている文化財・史跡を紹介するほか、同イベント期間に合わせて有形文化財が特別公開され、板橋史談会による史跡散歩や、いたばし観光センター所属のボランティアガイドによる文化財解説ガイドも実施している。
今回「赤塚地区コース」「志村地区コース」の2地区をメインに解説ガイドが行われ、赤塚地区コースでは11月11日と12日、区立郷土資料館(板橋区赤塚5)を出発地に、国の重要無形民俗文化財である「田遊び」が毎年2月に行われる赤塚諏訪神社(大門)や、丸吉講によって1827(明治5)年以前に造られたとされる赤塚諏訪神社富士塚、赤塚一山講によって造られた木曽御嶽塚がある四葉稲荷神社(四葉2)、松月院(赤塚8)などをガイドが解説しながら散策する。開催時間は10時~・13時~(各日2回)。
赤塚城に居城した千葉自胤(ちばこれたね)の開基と伝えられ、江戸時代に将軍家から寺領40石を与えられた朱印寺として知られる松月院では、徳川歴代将軍から賜った朱印状や大堂阿弥陀如来坐像、大堂閻魔王坐像、江戸時代末期に徳丸ヶ原付近で西洋式砲術の調練を行った兵学者・高島秋帆(たかしましゅうはん)の資料などを展示する宝物館「松宝閣(しょうほうかく)」が今回、11月11日・12日(10~16時)に特別公開される。同院の敷地内には、高島秋帆の功績をたたえる顕彰碑や、三遊亭圓朝作の怪談「乳房榎(ちぶさえのき)」の記念碑、区の天然記念物にも指定されている「松月院のヒイラギ」がある。
志村地区コースでは史跡散歩やガイド解説は既に終了しているが、「板碑の寺」として知られる龍福寺(板橋区小豆沢4)や、志村城ゆかりの寺院と伝えられる志村延命寺(志村1)、常楽院(前野町4)、のほか、志村一里塚(志村1)、齋藤商店(小豆沢2)を取り上げていた。
関連事業イベントとして、東京都指定無形文化財の説経浄瑠璃保持者・三代目若松若太夫による独演会が11日に区立郷土芸能伝承館(徳丸6)が開かれ、郷土芸能大会「板橋農業まつり」内では区内に伝わる無形民俗文化財「徳丸北野神社獅子舞」「徳丸四ツ竹踊り」「神田囃子(かんだばやし)」「里神楽(さとかぐら)」「大門餅つき」を披露する。
見学無料。