板橋区に都内初となる地域新電力会社「めぐるでんき」(板橋区板橋3)が設立され、8月1日、ハイライフプラザいたばし(板橋区板橋1)で設立記念シンポジウムが行われた。
2016年4月に始まった電力自由化により、各地で「地域新電力」への取り組みが活発になり、全国のさまざまな自治体で、地域エネルギー会社の設立に向けた検討が進められている。そうした動きの中、「めぐるでんき」が都内初の地域新電力会社として設立された。
同社では、再生可能エネルギーを地域で作り、地域で使う「電気の地産地消」の実現を目指す。さらに、その利益を福祉や教育など地域の未来をつくる活動に循環させ、自立共生型社会を実現させることを目標にしている。
当初は、「再生可能エネルギー開発事業」「電力小売事業」「スマートコミュニティ事業」「ソーシャルインパクト投資事業」の4つを事業の柱として活動を開始する。
設立を記念して開催されたシンポジウムでは、事業プランの説明のほか、村上憲郎さん(元・Google日本法人社長)、山田純さん(元・クアルコムジャパン社長、現・会津電力副社長)による基調講演や、地域活動に自身も深く関わっているという小田原「鈴廣かまぼこ」の鈴木悌介副社長を加えたパネルディスカッションなどが行われ、地域のこれからのエネルギーの在り方について、さまざまな意見が飛び交った。
同社社長を務める渡部健さんは「1年前に開催された省エネセミナーへの参加やその時の出会いをきっかけに、会社の設立までつながった。電気を売って儲けることが目的ではなく、地域活性の手段としての地域新電力だと考えている。モノや人がつながって、日々の生活が楽しくなれば」とあいさつした。
今後は、関連イベントとして、新事務所での「内覧会・事業者説明会」(8月25日13時~17時)や、めぐるでんきキックオフイベント「めぐるテーブル(仮)」(8月26日17時~19時)などが予定されている。
事業所の半分はワークショップなどにも使えるスペースとして確保する。渡部さんは「事業所を地域交流スペースとしても活用し、地域活性にも役立てたい。さまざまな形で地元板橋を盛り上げて行ければ」と意欲を見せる。