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板橋区役所で櫻井徳太郎生誕百年企画展 子ども向け体感型展示も

「いたばしの民俗と櫻井徳太郎」会場入り口に設置するパネル看板

「いたばしの民俗と櫻井徳太郎」会場入り口に設置するパネル看板

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 板橋区役所本庁舎(板橋区板橋2)1階の区民スペースで現在、企画展「いたばしの民俗と櫻井德太郎」が開かれている。

「歌う木」に掛けられたヘッドホンで、沖縄出身のシンガーソングライター・アラカキヒロコさんの歌声とピアノアレンジされた「田遊び」など、板橋ゆかりの曲を聴くことができる

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 「板橋区史」の編さんなど区の文化行政に尽力した民俗学者の故・櫻井徳太郎(さくらい・とくたろう)さんの生誕百年を記念して企画した同展。

 櫻井徳太郎さんは、1917(大正6)年、新潟県長岡市川口和南津(かわぐちわなづ)生まれ。東京文理科大学で歴史学を学び、民俗学者として柳田國男さんの下で民俗学の視点から日本の歴史や宗教(シャーマニズム、民間信仰など)について多くの研究成果を残した。1962(昭和37)年に第1回柳田賞、2002年に第12回南方熊楠(みなかた・くまくす)賞受賞。日本民俗学会代表理事、日本風俗史学会会長などを歴任し、1981(昭和56)年に紫綬褒章、1990年に勲三等旭日中綬章を受章した。

 櫻井さんと板橋区の関わりは深く、大学講師として働き始めた1946(昭和21)年から2007年に亡くなるまで板橋区に在住し、民俗学研究や教育活動と共に、同区の文化財保護審議会会長や「板橋史談会」会長を務め、「板橋区史」の編さん統括など板橋の民俗・文化の研究と普及に大きく貢献を果たした。

 区民文化栄誉賞を受けた1999年以降、板橋区へ寄贈した民俗・歴史関係学術資料約3万8500点は「櫻井德太郎文庫」として板橋区公文書館(同区本町)に収蔵されている。同文庫の開設を記念して2002年に創設した「櫻井德太郎賞」は、民俗学・歴史学・考古学に関する論文・作文を、小・中学生や高校生、一般から毎年公募し、今年で16回目を迎える。

 同区役所本庁舎内のギャラリーモールでは、「いたばしの民俗と櫻井德太郎」と題した解説パネルや櫻井德太郎文庫の資料を展示するほか、展示パネル21枚の画像を同施設ウェブサイトで6月9日まで公開する。区民イベントスペースでは五感を使って楽しむ体験型展示を行っている。情報スペースでは「トクタロウ先生を育んだ越後の五色」と題したパネル展示や「いたばしの昔ばなし」などの映像放映を行っている。

 展示パネルの解説文などを担当した板橋区公文書館・公文書館専門員の西光三(にし・こうぞう)さんは、「民俗学の展示は、一般の方からすると分かりづらく敬遠されてしまいがち。子どもでも楽しめて、書類手続きなどで区役所を訪れた方にも興味を引いてもらえるよう、展示内容や仕掛けを工夫した」と話す。「板橋の歴史や民俗に関心を持ったり、将来的に櫻井德太郎賞への応募につながったりするきっかけにもなれば」と期待を寄せる。

 開催時間は月曜~金曜=8時30分~17時。6月2日まで。ギャラリーモールのパネル展示と一部資料展示は6月9日まで。

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