赤塚第二中学校と成増ヶ丘小学校(以上、板橋区成増3)で11月2日、「いたばし防災+フェア2025」が開催された。
2022年に始まった「いたばし防災+フェア」は昨年、台風の影響で中止。今回は、2年ぶり3度目となる。親子で防災を「楽しく学べる体験型イベント」として、さまざまな企業や団体、地域住民が協力し合いながら防災意識の向上を目指した。
成増ヶ丘小学校の体育館には21の企業や公共団体がブースを出展。家庭にある日用品を防災に活用するアイデアや避難中にも作れるレシピなどを紹介した。来場者の一人は「『アイラップ』で湯せんご飯を作れるのは驚き。災害時においてもアレルギー対応の調理にも役立ちそう」と話していた。来場者は会場を巡ってシールを集めるスタンプラリーにも参加し、景品として備蓄用トイレットペーパーを配った。
校庭では、消防車やショベルカーの展示・乗車体験を行い、子どもたちは消防服を着て運転席に座るなど、実際の現場を体験した。放水体験コーナーでは、操作しやすい電動ポンプが登場。可搬消防ポンプなどを製造するトーハツの吉ノ薗結音(よしのその・ゆいね)さんは「水の勢いは変わらないのに、音がとても静か。子どもでも扱いやすい」と話す。災害時に移動式トイレとして活躍する「トイレカー」も展示。男女別の個室やエアコン、温水洗浄便座、ソーラーパネルを備え、快適で衛生的な避難環境づくりの一例として注目を集めた。
赤塚第二中学校の体育館のAED体験コーナーでは、志村消防団の土肥規晋(のりゆき)さんがデモンストレーションを披露。「金属を外さないと感電の危険がある」「AEDパッドは救助隊到着まで外さない」などの実践的な知識を分かりやすく解説した。親子連れの女性は「実際に使ってみて、思っていたより簡単で安心した。こうして知る機会があるのは大事」と話す。スポーツと防災を組み合わせた「防災スポーツコーナー」にも子どもたちが列を作った。遊びながら防災を学ぶことを目的に、子どもたちが体を動かしながら学べる工夫を施す。
赤塚第二中学校の校庭では、ドローンも実演。城北ドローンオフィスの宮本拓さんと操縦士の野間智行さんは「鉄塔の点検や被災地への物資輸送など、災害時にも活用できる」と説明した。
体育館ステージイベントでは、NHK Eテレで放送されたアニメ「宇宙なんちゃら こてつくん」、お笑いタレント・小島よしおさんが登場した。正午から小島よしおさんのステージの整理券配布がされる予定だったが、11時30分ごろには予定数の190人を超える列ができた。立ち見席を加えることで多くの来場者がイベントに参加。防災に関する◯×クイズには、小島よしおさんも一緒に参加。参加者と声の大きさを競いながら、「災害のときこそ、声を出して周りと助け合うことが大切」と呼びかけ、笑いの中に防災メッセージを込めた。最後は観客と一緒に、「そんなの関係ねぇ」を踊り、会場は大きな拍手に包まれた。