タニタカップのプロジェクトメンバー
PS4向け対戦ゲーム「電脳戦機バーチャロン マスターピース1995-2001」を使ったeスポーツ大会「電脳戦機バーチャロン マスターピース1995-2001 TANITA CUP(タニタカップ)2025-FINAL MISSION-」決勝大会が3月30日、eスポフィールド(板橋区高島平1)で開催された。主催はタニタ(前野町1)。
主催者であるタニタの谷田千里社長
MCはセクシー齋藤さん、解説はジェスターさん、すめしさん、アレックスさん。主催するタニタの谷田千里社長、ゲストとしてバーチャロンの生みの親である亙重郎(わたりじゅうろう)さんが同席した。運営協力としてCLARK NEXT Tokyo(板橋4)の学生たちも参加。予選が行われた前日29日には、Vチューバーの白上フブキさんがスペシャルゲストとして出演した。
開演後、モニターに映し出されたのは坂本健板橋区長。後援する板橋区として、「(主催者の)先見性と努力により板橋区にeスポーツという新しい文化をもたらし、地域の活性化に大きく貢献していることを高く評価している」とコメントを寄せた。
その後行われた企業対抗戦では、セガ、タミヤ、タニタ(ツインスティック開発チーム)の3社が参加。対戦前には企業ならではのビジネスマナーとして名刺交換でスタート。「フェイ・イェン・ザ・ナイトを使っております。株式会社タミヤ催事課の新田(にった)と申します」と、使用するバーチャロイド(機体)と在籍を名乗ってから対戦が始まる姿が会場の笑いを誘った。対抗戦の結果は、同作の開発会社としての意地を見せたセガが優勝をさらった。
企業対抗戦で名刺を渡すタミヤの新田さん
休憩を挟み、初代となる「電脳戦機バーチャロン(以下OMG)」を使い、バーチャロンの生みの親である亙さんと、タニタの谷田社長のエキシビションマッチが行われた。拮抗した勝負の中、フェイ・イェンを操る谷田社長が勝利を収めた。
続く、スーパープレーの映像を競う「フォースパフォーマンスコンテスト」の後、「日本一歌のうまいサラリーマン」光吉猛修(たけのぶ)さんが登場し、「鋼鉄の戦士(Conquista Ciela)」を熱唱。歌い終わると「サンキュー…ベリ・マッチ!」と自らが演じた「ハッター軍曹」のせりふを残し、会場を後にした。歌唱中に足を頭上に振り上げる光吉さんの姿を見て、実況のセクシー齋藤さんが「なんであんなに足が上がるのか」と話すと会場が沸いた。
日本一歌のうまいサラリーマン、光吉猛修さんのスペシャルライブも
ゲーム本戦の決勝トーナメントは「電脳戦機バーチャロン フォース」部門で始まった。
レイキヨ×シマコー選手・しろー選手ペアの「パワーオブナッツ」と、「テツオ」を選ぶのすけ@パトラのわんちゃん選手・ガーゴイル選手「テツオEvolution」が決勝で対決。「パワーオブナッツ」が昨年の準優勝の無念を晴らす優勝を収めた。
解説のアレックスさんは勝因について、「先月まではパワーオブナッツはボックス『ジェーン』という機体を使っていたが、直前でスペシネフ13『戦(せん)』に乗り換えた。対テツオの決勝を見据えて変更したのでは」と分析した。
次に「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム Ver.5.66」部門の決勝トーナメントが開始。惜しくも準決勝で敗退したend(エンド)選手は「オラタン」部門唯一の現地組。自宅でのネット環境を当日までに整えられず、岡山から新幹線で参加したという。
決勝ではiwaichan(いわいちゃん)選手とサイファーを操る鈴蘭にゃくも選手が対決。鈴蘭にゃくも選手が優勝を果たした。
最後の決勝トーナメントは「OMG」部門。決勝戦ではテムジンを操るAVION(アビオン)村のスナイパー関学(かんがく)テムジン選手と、バル・バス・バウを操るAVION村の道化師396(サクム)選手が対決。2セット連取の末、AVION村のスナイパー関学テムジン選手が体力を守り切り優勝を収めた。
四半世紀を超えても、いまだに名勝負と呼ばれる場面が生まれる同作について、亙さんは「プログラム上では、理論的に『こういう動きが可能』ということはある。大会の環境下で、どう入力すれば自機がどう動くかを体が覚えている、いわば『イッちゃってる』状態が故に、今回のような名場面がいくつも生まれたのかもしれない」と話す。「開発に関わった者としてありがたい」とも。
試合を講評するバーチャロンの生みの親、亙重郎さん
閉会式では、プロジェクト初代担当者の久保彬子(あきこ)さん、プロジェクトを引き継いだタニタのさきさん、よっしーさん、ゆうきさんが登壇しあいさつ。感極まり涙する場面も見られた。
運営を共にしたさきさんへのあいさつで感極まるよっしーさん
大会開催に際し、450万円を目標にクラウドファンディングも行い、達成した。これについて、谷田社長は「やりたいことが多かった故の金額だったので、達成は厳しいとは思っていた。それでもタニタカップ終了後もバーチャロンを次世代につなげていきたかった」と振り返った。
CLARK NEXT Tokyoの学生も運営のサポートを行った