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赤塚小で防災の特別授業 金沢市と連携しオンラインで

画面に手を振る赤塚小の子どもたち

画面に手を振る赤塚小の子どもたち

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 赤塚小学校(板橋区赤塚3)の4年生児童が6月30日、石川県金沢市の危機管理課とオンラインでつないで特別授業を受けた。

金沢市の魅力を伝える井上博司さん

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 金沢市と板橋区は2008(平成20)年に友好交流都市協定を結んでいるほか、板橋区に加賀藩の下屋敷が置かれていたことから、現在も金沢、加賀の地名が使われる学校や公園などが残っている。

 初めに児童へ話すのは、金沢市役所の営業戦略室・東京事務所主査の井上博士さん。金沢市への興味を持ってもらうため、石川県の地理や観光資源についての話、クイズなどを行った。全国1位とされる金箔(きんぱく)の生産量についての問いでは、児童が25%、90%と答える中、答えは100%だと知ると体育館に「ええええ」と驚く声が響いた。

 話は徐々に防災へと移り、スクリーンにはオンラインでつないだ金沢市危機管理課主査の篠田貴明さんへ交代。昨年元日に発生した能登半島地震の話題になり、地震直後の写真が映し出されると児童は真剣なまなざしで見入った。

 ライフラインや「自助、共助、公助」で命を守る話、避難所支援の話へと続いた。篠田さんは「避難所の被災者が一番困ったことは何か」を児童に問いかけ、「一番困ることはトイレだった」と話す。「災害時はあまりトイレに行けないと考えると、我慢したり水分を取らなくなったりして体調を崩す」「災害に遭った人に聞くと皆さんがそう答える」とも。

 最後に行われた質問コーナーでは、児童から「避難所でどうやって暇つぶしをしたのか」という質問を受けると、「良い質問だね」としながらも「電気が使えないので本当に暇。カードゲームや読書など、工夫して過ごした」と回答。「ボランティアの人たちが避難所で歌を歌ってくれたり、体操してくれたり、とても助けられた」と共助の話にも触れた。

 今回の特別授業を振り返り、同校の南野秀人教諭は「教員が知識で話すのではなく、当事者の話を聞くことで児童の記憶に残り、今後の探求につながっていくのでは」と期待を込める。「地元の赤塚を起点として、友好都市の金沢市の知識を通じて板橋区全体への郷土愛を深めていけたら」とも。

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