板橋区と大東文化大学が共同で地域課題に取り組む「地域デザインフォーラム」が3月17日、大東文化会館(板橋区徳丸2)で第7期地域デザインフォーラムのシンポジウムを行った。
同フォーラムは、区と大学とが共同研究などを通じて21世紀の地域社会の課題に挑戦していくことを目的として2000年5月に協定を締結し、それ以来、区と大学の双方から研究員を集めて、2年間を一つの研究機関として進めてきたもの。
これまでの研究結果については報告書やブックレットにまとめてホームページ上などで公表しており、区政に取り入れるべきものは取り入れるという姿勢で、区では提言などについて検討しているという。
今回のシンポジウムでは、第7期の第2分科会のテーマである「都市型シティプロモーションの必要性とその展開」を軸に、研究発表やゲスト講演、パネリストによる意見交換などが行われた。
第1部では、福島県の農林水産物を扱う地域ウェブメディア「ふくしま新発売。」の企画から運営まで担当しているというコンテの永田哲也さんが、地域ウェブメディアに期待されるものや、ウェブメディアの立ち位置、行政との関係についてなど具体的な事例を交えながら講演し、講演後には活発な質疑応答が繰り広げられた。
永田さんは「地域の魅力は特別なことだけではない。地元民には普通のことが、他の地域とのカルチャーギャップで広く受け入れられたりする。行政系のウェブは告知が苦手なところが多い。行政のウェブや広報は、フォローをしてくれる人をつくるのではなく、フォローしやすい仕組みにするという、方向転換が大切」と話した。
第2部では、同大生の古川秋穂さん、高橋智大さんと、区内情報を扱うブログを運営する「いたばしTIMES」の宮下忠三さん、「いたばし区のばら」のロザリーさんが、それぞれの取り組みを発表。区民目線だからこそ見つけられる魅力や区のイメージについて話した。
発表後に行われた意見交換会では、地域の魅力の発掘方法や、その情報の発信の仕方について話し合われ、区のホームページが使いづらいなどの厳しい意見も飛び出したが、来場していた職員も「(会場で)出た意見を参考にしたい」と前向きに意見を聞いていた。
地域連携センターの中村年春(としはる)所長は「地域社会を取り巻く環境は様変わりしてきている。今までは行政任せだったものを、地域でどう取り組み、実現させていくのか。今後も、さまざまな研究テーマについて、セミナーやシンポジウムで区民らに広く研究成果を発表したい」と、今後の活動にも意欲を見せた。