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成増で「説経浄瑠璃」鑑賞会 無形文化財保持者が古典芸能披露

三代目若松若太夫さん

三代目若松若太夫さん

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 成増アクトホール(板橋区成増3)で1月21日、都指定無形文化財「芸能」保持者の三代目若松若太夫(わかたゆう)さんと、八王子車人形西川古柳(こりゅう)座による「説経浄瑠璃」鑑賞会が開かれる。

今回披露される、八王子車人形西川古柳座による「小栗判官一代記」の一幕(写真)

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 板橋区文化・国際交流財団の共催で、同区教育委員会が毎年1月に主催する伝統芸能の恒例イベント。

 都指定無形文化財・板橋区指定無形文化財で、芸術祭賞優秀賞や伝統文化ポーラ特賞の受賞者である先代二代目のころから開催され、初代によって明治・大正・昭和の戦前期に隆盛した若松派説経節や浄瑠璃の伝統芸能を今に伝える会として同区で30年近く続いている。

 今回のゲストの八王子車人形西川古柳座は、国の選択無形民俗文化財と都指定無形文化財「芸能」保持団体。江戸時代からの伝統芸能「車人形」による人形芝居公演を八王子市を拠点に国内外で行っており、三代目若松若太夫さんとはこれまでも共演している。

 三代目若松若太夫=小峰孝男さんは、もともと三味線をたしなみ伝統芸能にも関心を持っていた大学在学中、1989年に二代目の説経節公演を鑑賞したのをきっかけに弟子入りしたという。

 小峰さんは「テレビで見たり、前年に芸術祭優秀賞をとったのを新聞などで知っていて、一度生演奏を聴いてみたいと思っていた。ほかの伝統芸能では見られないストレートな感情表現や、迫力のある語りに圧倒され、公演後に弟子を募集しているという話があり、いろいろ教わりたいという思いと、これだけの芸を継ぐ人もなく途絶えさせるのは惜しいと考え入門を決めた」と振り返る。

 翌年5月に初舞台を踏み、同年7月に若松峯太夫を襲名した小峰さんは1995年1月、若松小太夫を襲名し、1998年に三代目若松若太夫を襲名。先代が逝去した2000年には、東京都無形文化財保持者認定を受けた。

 小峰さんは「最近は中学校などで公演を行うこともあるが、若者にもっと伝統芸能に関心を持ってもらえるよう、今後も各地でさまざまな取り組みをしていきたい。三味線だけでなく若松派ならではの語りを人形芝居と合わせて楽しめる今回の無料鑑賞会も、一つの良い機会だと思う」と話す。

 演目は、若松若大夫さんによる説経節「さんせう太夫」、若松若太夫さん=浄瑠璃・八王子車人形西川古柳座=人形芝居による「小栗判官一代記」ほか。

 13時開場、13時30分開演。定員は先着450人。入場無料。

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