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【日大板橋病院専門医からの健康情報】果物で口がかゆくなる。その意外な原因とは?

日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医・葉山惟大先生からの健康情報

提供:日本大学医学部附属板橋病院 制作:板橋経済新聞編集部

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 日本大学医学部附属板橋病院の医療専門家が、地域の皆さまに役立つ健康情報を発信。健康的な生活をサポートすることで、地域全体の健康状態の向上を図ることを目的としています。

 今回は「アレルギー」をテーマに、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医・葉山惟大先生にお話をしていただきました。

 果物を食べた後に口やのどがかゆくなる場合、口腔(こうくう)アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)の可能性があります。リンゴや桃などを食べた後に症状が現れ、重症の場合はじんましんや気管支ぜんそく、アナフィラキシーショックなどを引き起こすこともあります。特定の果物や野菜を摂取して異変を感じた場合、アレルギー専門医に相談し、アレルギー検査を受けることが重要です。

 花粉症患者の増加に伴い、OASの人も増えています。春の花粉症といえばスギやヒノキを思い浮かべますが、それだけではありません。河川敷などに生えている低木のハンノキでも花粉症になることがあります。ハンノキ花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳(せき)、のどの違和感、かゆみなどで、特に咳が主症状の場合、ハンノキ花粉症の可能性があります。ハンノキ花粉はスギ花粉よりも少し早く飛び始め、1月から症状が出ることがあり、3月~4月がピークとなります。スギ花粉症の人の約20%がハンノキ花粉にも反応するといわれています。北海道から東北に多く生育するシラカンバ(白樺)も、ハンノキと同じカバノキ科の樹木で、共通抗原性があり、交差反応によりアレルギーを起こすことがあるので、東北以北に住んでいたことがある人はシラカンバ花粉症でハンノキの花粉に反応していることがあります。

 ハンノキ花粉症を発症した人は、共通抗原を有するリンゴやサクランボ、桃などのバラ科の果物を食べると強いアレルギー症状を起こすことがあります。これらの果物を食べた後に口の中にピリピリとした違和感があるときは要注意です。これを花粉食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)といいます。この病気の方は症状が発症するまで気づかないことも多いため、果物を食べてじんましんがでるような人は病院で調べてみましょう。

 秋の花粉にも注意が必要なものがあります。ブタクサの花粉はメロン・スイカ・バナナ・キュウリ・ズッキーニなどウリ科の植物と交差反応を起こします。それほど多くはありませんが、ヨモギの花粉でもOASやPFASを起こすことがあります。ヨモギはセリ科の植物と交差反応を起こすことがあり、ニンジンやセロリのアレルギーを誘発します。また、クミンやコリアンダーなどのスパイスもセリ科であり、スパイスアレルギーを起こすことがあります。海外で多く報告されており、ヨモギニンジンスパイス症候群とも呼ばれています。日本でも報告されており、カレーなどスパイスの多いものを食べてじんましんが出る人はこの病気の可能性があります。花粉症の症状がある人で、特定の果物や野菜を摂取して異変を感じた場合には、アレルギー専門医に相談し、アレルギー検査を受けることが重要です。

写真提供先:Pixabay

日本大学医学部附属板橋病院 皮膚科 葉山 惟大

地域の健康を守る!「日大健康広報プロジェクト」

このプロジェクトは、大学病院の医療専門家が地域の皆さまに役立つ健康情報を発信し、健康的な生活をサポートすることで、地域全体の健康状態の向上を図ることを目的としています。

(転載・取材に関するお問い合わせ先:med.kouhou@nihon-u.ac.jp

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