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板橋とモンゴル国の交流協定20周年記念でコンサート 馬頭琴やホーミーの演奏

馬頭琴の演奏で「花は咲く」を熱唱するソプラノ歌手エンヘラナンさん

馬頭琴の演奏で「花は咲く」を熱唱するソプラノ歌手エンヘラナンさん

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 板橋区立文化会館(板橋区大山東町)大ホールで10月29日、「~モンゴル国協定締結20周年記念イベント~モンゴル国立馬頭琴交響楽団 JAPANTOUR 2016」が行われた。

前半の馬頭琴による弦楽四重奏は白い衣装で演奏

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 同楽団は前日に開かれた福島県相馬市の相馬公演を皮切りに日本国内で10公演を予定している。板橋区ではモンゴル国協定締結20周年記念イベントを祝して入場無料で開催した。事前に配布した入場整理券は公演の1週間前までに全て無くなり、開場時間前から当日券を求めて長い列ができるなど、定員1263人の会場は満席となった。

 あいさつで坂本健区長は、4月に同区公式訪問団がモンゴル国を訪れた際に催された記念イベントへの謝辞と、同区とモンゴル国教育文化科学省との文化・教育交流発展への期待を述べた。司会は続いてあいさつに立ったモンゴル国文化大使、日本モンゴル文化経済交流協会会長の佐藤紀子さんが務めた。

 同公演は普段なかなか接する機会のない馬頭琴、ホーミー、オルティンドーというユネスコの無形文化遺産に登録された伝統音楽を聴けるプログラム。ホーミーは喉歌(のどうた)とも呼ばれ、一人の人が同時に2重音を出す珍しい歌唱法。オルティンドーは長い歌という意味を持ち、日本の追分歌や馬子唄に共通するとされる。

 前半のプログラムでは、モンゴルの草原や青い空や山々などの自然をたたえる、馬頭琴を小編成で演奏する曲から始まった。ドフチン作曲の「キャラバン」では、特別に本邦初公開となる昔ながらの共鳴箱に革を張った馬頭琴を披露。ゲストにモンゴル国立オペラ劇場のソプラノ歌手エンヘラナンさんを迎えた東北応援歌の「花は咲く」では、馬頭琴の演奏に乗せた歌声に涙を浮かべる来場者の姿も見られた。

 後半は、同国立オペラ劇場のテノール歌手バトジャルガルさんが、オペラ「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」を熱唱。ヤトガと呼ばれるモンゴル琴だけで演奏する軽快な「ゴーリンゴー」「かなわぬ想(おも)い」や、楽団全員で演奏する曲が続き、最後は「目覚めた草原」で締めくくった。

 当初予定したプログラムを全曲演奏するには時間が足りずに数曲割愛されたが、アンコールでテノール歌手バトジャルガルさんとホーミー歌手のアシトさんが「ふるさと」を歌い終わると、満員の会場からは「ブラボー」の声と共に鳴りやまぬ拍手がいつまでも続いた。

 この後は板橋区役所1階イベントスペースで引き続き20周年記念の催し「バヤルララー モンゴル!」が続く。

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