双葉町氷川神社(板橋区双葉町)で9月8日、宮みこしの渡御(とぎょ)が行われた。
同神社は板橋宿上宿(かみじゅく)と根村の産土神(うぶすなのおおかみ)として崇敬され、根村松山氷川大明神とも称される。宮みこしは徳川末期の作と言いわれ、神輿(みこし)師の初代・西山光雲によって製作されたとされる。
宮みこしが町内を渡御するのは3年に一度の本祭りの時のみだが、コロナ禍による中止の影響で今年は6年ぶりとなる。宮みこしは、馬に乗る神主やてんぐが先頭に立ち、氏子区域の双葉町から富士見町、大和町、稲荷台、本町を回った。
家族や仲間とみこしを担ぐ「酔西會(すいさいかい)」の西澤実穂さんは「コロナ禍を乗り越えた初の本祭りにワクワクが止まらなかった」と話す。「渡御が始まり3町会を回らせてもらったが、うれしさのあまり、ほとんど棒から出ていない気がする」とも。
16時過ぎ、宮みこしが神社に戻る宮入りでは、江戸消防記念会の会員らが木やり唄を披露し、参道の観客からは「粋だね」などの声が上がった。
みこし渡御や神事を終え、祭礼実行委員長の神田一(いち)さんは「事故もなく、無事に終わって安心した」と安堵(あんど)する。6年ぶりの宮みこし渡御については、「ようやく活気が戻る第一歩となったのでは」と振り返る。