「板橋ふれあい祭」が6月9日、平和公園(板橋区常盤台4)で開催され、5000人が来場した。
「誰もが共に豊かに暮らせるまちづくり」をテーマに1982(昭和57)年に始まった同イベントは今年で42回目。運営団体の一つ、NPO法人「みんなのセンターおむすび」理事長の加藤勉さんは、障がい者が地域の中で生活できることを目指し第1回の立ち上げから携わってきた。
当日は、区内の福祉園、ボランティアセンターなどを中心に42団体が模擬店を出店。ステージでは7団体が歌やダンスを披露した。発達障がい、知的障がいのある子どもたちによるダンスチーム「N-FACTORY」の一員として出演した井出詩乃(ことの)さんは「今日まで1カ月半ほどかけて練習した。たくさんの方に見てもらえて楽しかった」と振り返る。
第38回からはSDGsに沿って「誰も置き去りにしない板橋を」をテーマに加えた。事前に募集したボランティアには、高校生、大学生、専門学校生約150人が集まり、会場には親子連れの姿も多く見られた。SDGsクイズのスタンプラリーや防災について学ぶコーナー、体験コーナーでは車いすで会場を一周したり、手袋をして折り紙をしたりする障がい疑似体験などに行列ができていた。
点字体験コーナーで点字を教える生方(うぶかた)一恵さんは、板橋区内の小学校でガイドヘルプ体験などの授業も行っている。「困っている人への声がけなど、一度経験してもらうと実際にその場面に遭遇したとき行動に移しやすい。授業や今日のようなイベントを通じて直接伝えられる機会を増やしていけたら」と話す。
加藤さんは今後、つながり豊かな共生社会を創ること目的とした「協働推進センター」の開設を予定しているという。「今日の板橋ふれあい祭には若い世代の方にもたくさん参加してもらえたので、さらに地域での共生について考え、表現する場づくりの継続を目指したい」と話す。