板橋区在住の冒険家、阿部雅龍(まさたつ)さんが来年2月から、全国68カ所の神社を巡る人力車での日本縦断の旅をスタートする。
南極点到達を夢に掲げる阿部さんは、歴史的冒険家である植村直己さんゆかりの地である板橋に住みながら、体力づくりも兼ねて2008年から浅草で観光客向けに人力車を引いてきた。
同郷・秋田の出身で、100年以上前に日本人で初めて南極を探検した白瀬矗(しらせのぶ)探検隊の足跡をたどり、同隊がたどり着けなかった南極点到達を目指す旅を2017年末に実行するべく準備を進めていたが、資金調達の問題などから計画を変更。コースとして難易度の高い白瀬ルートでの南極点到達を確実に成功させるため、18年末に一度南極を歩いてから、あらためて19年に白瀬ルートでの南極点到達を目指すことにした。今回の人力車日本縦断は、その前のトレーニングも兼ねる。
人力車での日本縦断を決めた経緯について阿部さんは「南極に行く前に日本のことをしっかり知っておきたいと思った」と話す。「浅草で人力車を引いているのも、体力づくりと同時に日本の文化を習得できるのが大きい。人力車だからこそ見える日本の景色や出会いがある。全国を巡ることで土地それぞれの文化や人柄に触れたい。人力車で回ることで、出会った人たちにも笑顔になってもらえれば」と期待を寄せる。
今回の旅は570万円ほどの予算が必要となるため、クラウドファンディングも利用し支援者を募っている。神社の中でも格上となる「一宮」を巡ることから、御朱印を希望されることもあるという。「皆さんの思いや願いを一緒に感じられることが、単独の旅では特に大きな力になる。支援者の存在は本当に心強い」と阿部さん。
クラウドファンディングの募集は12月29日まで。今後の活動の様子はSNSなどで随時伝えていく。