板橋区内の製造業に従事する青年技能者・技術者を表彰する「板橋FINE WORKER(ファインワーカー)」の表彰式が1月23日、東京商工会議所板橋支部(板橋区板橋3)の新年賀詞交歓会で行われた。
同日お披露目された「ヒイル酒」を手に微笑むトプコンの若松さん
同会議所では、「技能者・技術者としての誇りと意欲の高揚」「将来の板橋区の産業基盤を支える後継者として一層の技能・技術向上の促進」を図ることを目的に、優れた若手の技能者・技術者表彰している。18回目となる今回は19人をファインワーカーに認定し、うち1人を最優秀賞に選んだ。
最優秀賞に選ばれたのは、トプコン(蓮沼町)で精密機器の製造・実装を担当する若松弘さん。若松さんは電子機器などに使われるプリント基板を扱っている。一つの基盤に何千個もの部品を取り付けるが、その中の一つでも間違っていたり欠けていたりすると機器は正しい動作をしなくなるという。若松さんは今回、そのミスをなくすため、製造現場の環境管理の徹底に挑戦した。「まさかこんな賞を頂けるとは思わず、自分が一番驚いている」と若松さん。「ものづくりを志してこの世界に入ってきてくれた後輩たちに、ものづくりの楽しさを伝え、手本となれるように精進したい」と今後の展望を語った。
審査を務めた「板橋ひとづくり・ものづくり委員会」の上田一成委員長は「10億分の1のミスをなくすことに挑む姿勢に感動した。それを支援した会社も素晴らしい」と話す。「技術は宝。この賞は会社にとってのお宝探しでもあると思う。これからも板橋の技術の原石を掘り起こしたい」とも。