生コンクリートの製造・販売事業を行っている河島コンクリート工業(板橋区新河岸1)のアートミキサー車3台の納車式が10月29日、新河岸小学校(新河岸1)の校庭で行われ、同小5、6年生児童も参加した。
納車されたアートミキサー車3台と新河岸小学校5,6年の児童たち
同校は、周辺が工業専用地域にあることに加え、団地住民の高齢化などの影響により児童数が減少している。この10年で児童数は約4分の1に。そうした同校を応援しようと、新河岸地域の工業会を中心に「新河岸応援団」を結成し、イベントへの協力や学校周辺の環境整備、指定の体育着のなかったことから、オリジナルTシャツを作成し全校児童に無償配布した。
同社も「新河岸応援団」の一員で、毎年の工場見学の受け入れや、今夏は「いたばし花火大会」の会社イベントに1年生児童とその家族を招待するなど地域との交流を大切にしている。今回の納車式は、同社から「カラフルなミキサー車を、きれいな状態で子どもたちに見て楽しんでほしい。新河岸小の校庭で、アートミキサー車の納車式を行えないか」と提案があり実現した。
当日、校庭にはカラフルなアートミキサー車が3台並び、児童からは「きれい」「かわいい」などの歓声が上がった。ミキサー車のデザインを手がけたアーティストのzuzomari(ズゾマリ)さん、あもんさん、ヤギトナリさんも参加。
特別授業では、「生コンクリート」と「コンクリート」の違いについて学んだ。生コンクリートは時間がたつと固まってしまうため、ミキサー車で回転させながら運べるのはおよそ1時間以内の範囲に限られるという。そのため、同社の生コンクリートは児童たちの身近な学校や公共施設など、地域の建物にも多く使われていることを紹介。コンクリートとSDGsの話では、コンクリート製造中に排出される二酸化炭素を削減するため、コンクリート内に二酸化炭素を注入し、練り混ぜて固定化する技術を使っていることや、製造過程で発生する廃棄物を再利用し、これまで廃棄されていた素材を有効活用する取り組みなどを紹介した。最後は記念撮影を行い、実際にアートミキサー車に触れながら間近で見学した。
同社の河島慎吾社長は「ミキサー車はどうしても汚れやすく、これまであまり注目されることのない存在だった。だが、アートと組み合わせることで街の中を走る『動くアート』として見る人の心が明るくなり、楽しんでいただけたらうれしい」と話す。
同校の金子陽子校長は「急速な少子化で児童数が減ってきた当校だが、地域の皆さまに温かく支えていただき感謝。今回のアートミキサー車の納車式など、工業地域にあるからこその特色ある教育活動ができている」と話す。