女子プロサッカーWEリーグ「日テレ・東京ヴェルディベレーザ」が3月16日、ホーム味の素フィールド西が丘(北区西が丘)でセレッソ大阪ヤンマーレディースと対戦し、1対1で引き分けた。入場者数は990人。
この日は気温24.1度と初夏を思わせる日差しの下、今季リーグ戦初先発となった日テレ・ベレーザの岩清水梓選手は、今月4歳になったばかりの愛息と手をつないで入場。なでしこジャパンのメンバー田中桃子選手も先発で起用され、第3節以来、実に7試合ぶりにゴールマウスを守った。
試合は序盤からセレッソ大阪に果敢にゴールを狙われるが、GK田中選手が好セーブを見せる。日テレ・ベレーザも相手陣内でチャンスを作り、2月28日のなでしこジャパン対北朝鮮戦で自身初のヘディング弾を決めた藤野あおば選手が、積極的に頭で合わせに行くシーンも見られたが得点には至らなかった。先制したのはセレッソ大阪。前半21分、スルーパスからディフェンスの裏に抜け出した田中智子選手にWEリーグ初得点を許した。
逆転優勝を目指すには、何としても勝ち点3を取りに行きたい日テレ・ベレーザ。後半から岩清水選手に代わって投入された池上聖七(せいな)選手が3バックの左に、左でプレーしていた坂部幸菜選手が右へ、右の村松智子選手が真ん中へとシフト。すると後半16分、交代で入った池上選手が左サイドを駆け上がり低めのクロスで折り返すと、相手GKが反応。ゴール前に詰めていた山本柚月選手が、こぼれ球をスライディングでゴール左隅に押し込み試合を振り出しに戻した。
その後も日テレ・ベレーザは攻撃の手を緩めず、後半29分には藤野あおば選手が強烈な右足のミドルシュートを放つが、惜しくもクロスバーに弾かれた。後半途中から入った板橋区出身の鈴木陽(はるひ)選手にもゴール前でのチャンスが訪れるが、地元での凱旋ゴールは生まれなかった。終盤は日テレ・ベレーザが優勢に試合を進めながらも追加点は奪えず、1対1のまま試合終了を迎えた。
日テレ・ベレーザの松田岳夫監督は「後半の戦い方を最初からできていれば、違った結果になっていただろう。多くの方が応援してくれて、しっかり結果を出せなかったのは残念。次回はゲーム開始から100%の力を発揮できるよう頑張っていきたい」と意気込みを見せる。
朝4時出発で仙台から車で応援に駆け付けたという戎田(えびすだ)美樹さん・勇樹さん親子は試合前、「今シーズン、マイナビ仙台レディースからセレッソ大阪に移籍した矢形海優(みゆ)選手と、同じく仙台からベレーザに移った松田監督、そして、なでしこジャパンでも大活躍の藤野あおば選手の応援に来た。両チーム共、頑張ってほしい」と手作りの応援グッズを手に声援を送った。
ここまで4勝4分2敗の日テレ・ベレーザは、前節から順位こそ落とさず4位のままだが、1位のINAC神戸レオネッサとの勝ち点差は8にまで広がった。次節は中3日で大宮アルディージャVENTUSとアウェーで対戦。次のホームゲームは3月24日の第12節、11位のサンフレッチェ広島レジーナと対戦する