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板橋のギャラリーで闘道館共催のアート展 「福祉とプロレス」テーマに

「マスカラ・コントラ・マスカラ」の作品「武蔵嵐山かうんと5物語」の特設ムービーも公開 ©Mascara Contra Mascara

「マスカラ・コントラ・マスカラ」の作品「武蔵嵐山かうんと5物語」の特設ムービーも公開 ©Mascara Contra Mascara

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 「TOKYO SOCIAL DESIGN(トーキョー ソーシャル デザイン、以下TSD)」が7月22日~25日、「福祉とプロレス」をテーマにした企画展「時が来た!それだけだ。カウント5(ファイブ)×闘道館(とうどうかん)」を開いた。共催はNPO法人「かうんと5」(埼玉県東松山市)、プロレスグッズ店「闘道館」(豊島区巣鴨2)。

ユーチューブ上では「闘道館」で収録したトークイベントなどの映像を配信中

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 同展は、TSDのオフィス兼ギャラリースペース「gallery TSD(ギャラリー・ティーエスディー)」(旧クリエーションスペースen∞juku)と、国内外のプロレスマニアに知られた老舗プロレスグッズ店「闘道館」の2会場で開催。「かうんと5」がプロデュースを手掛けるアートユニット「マスカラ・コントラ・マスカラ」の作品原画展示や、特製Tシャツなどのオリジナルグッズ販売、会場をまたいでのスタンプラリー企画を行った。TSD会場では「マスカラ・コントラ・マスカラ」の「武蔵嵐山かうんと5物語」の作品舞台を案内するマップ展示やキャラクター缶バッジ入りカプセルトイ販売、作中にも登場する覆面バンド「Theビジャノズ」のミニライブ、紙袋で作った覆面をかぶりチャンピオンベルトのレプリカ品を巻いて撮影できるフォトスポットの設置、釣り上げたヨーヨー風船を覆面に見立てて落書きする「マスクマンヨーヨーつり」などを行った。

 「マスカラ・コントラ・マスカラ」のメンバーは、イラストレーションを担当するケンジさんと、独特な書体の文字を描くカズヒサさん、両者の作品を組み合わせるイシダイラさんの3人。覆面レスラーなどのプロレスをモチーフにした独特の世界観が話題の「武蔵嵐山かうんと5物語」は、通所型施設内での創作活動から誕生したという。イシダイラさんは施設の職員で、大のプロレスファンでもあり、「施設の活動で絵を描く時、ケンジさんにたまたま持っていたプロレス雑誌の覆面レスラー特集号を見せて描いてもらった」ことが始まりだったという。「その絵があまりに魅力的で」(イシダイラさん)、ケンジさんはその後数多くの覆面レスラーを描き続けた。「本人は最初のうちは自分で描いた絵に関心を示していなかったのが、作品を展示した時に家族や施設職員など身近な人たちから絵について評価されると、絵を指さして自分が描いたことをアピールするようになった。その後も展示会などで作品に拍手をもらうと誇らしそうにしていたのを見て、すごくうれしかった」とイシダイラさん。

 「マスカラ・コントラ・マスカラ」の作品制作を始めたイシダイラさんは2012(平成24)年、障がいのある人のアート活動を支援する「かうんと5」を立ち上げた。作品はさまざまな作品展で展示されてるようになり、フランスのギャラリーに展示された作品は海外の著名なコレクターが購入した。

 TSDの代表・加藤未礼さんは「福祉関係の仕事を通じて『かうんと5』のすてきな作品と世界観に出合ったのが10年前。今年に入ってから、板橋区区主催のコミュニティービジネスセミナーで知り合った方が福祉関係の仕事をしていて、旦那さんがプロレスグッズ販売の有名店を経営されている話を伺い、プロレスと福祉のつながりで『かうんと5』について話題にし、今回のイベント企画を闘道館に持ち込むきっかけになった」と言う。

 闘道館の泉高志館長は「最初話を頂いた時は、『福祉とプロレス?』と正直戸惑った。でもイシダイラさん・加藤さんと会って話をするうちに、この方たちとなら面白いことができそうだと、やってみたいと思った」と話す。イシダイラさんは「闘道館では昔から何度も買い物をしていて、『武蔵嵐山かうんと5物語』が誕生するきっかけになったプロレス雑誌は闘道館で買ったものだった。まさか闘道館でイベントやTシャツ販売ができるとは夢にも思っていなかった」と喜びを語る。

 加藤さんは「いたばしプロレスの影響もあって、板橋区は子どもたちを含めてプロレスの試合や覆面レスラーの存在を身近に感じている。闘道館さんが共催を快諾してくれたことで、大人も子どもも、プロレスに詳しい方もそうでないも方も楽しめるイベントになった」とも。

 ケンジさんが描いた伝説の覆面レスラー「エル・サント」をモチーフにしたオリジナルTシャツ(3,850円)は、「闘道館」店内とウェブサイトで在庫のある限り販売する。

 TSDのユーチューブチャンネルでは、「Theビジャノズ」ライブの映像や「武蔵嵐山かうんと5物語」の特設ムービー、闘道館で収録したトークイベント「デスマッチ!時が来た それだけだ。かうんと5×闘道館」の映像を引き続き無期限配信する。イシダイラさんと泉館長は、加藤さんがファシリテーターを務めたトークセッションの中で、お気に入りの覆面やプロレス愛をそれぞれに披露し、プロレスファンの間で語り継がれるプロレスラーの名言を引き合いに「福祉とプロレス」の共通項について自身の活動を交えて熱く語っている。当初ケンジさんはTSD会場の窓ガラスに絵を描く予定だったが緊急事態宣言で中止となり、施設で「Theビジャノズ」の特大イラストを制作。ステージ上に飾られている他の「マスカラ・コントラ・マスカラ」作品と合わせて映像で確認できる。

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