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板橋区公文書館で秋恒例の講演会 文書から各時代を読み解く

月岡芳年による錦絵「魁題百撰相 足利義輝」

月岡芳年による錦絵「魁題百撰相 足利義輝」

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 板橋区公文書館(板橋区本町、TEL 03-3579-2291)は9月28日と10月5日の2日間、「公的文書から繙(ひもと)く日本のルールと社会」をテーマにした講演会を各日2講演、計4講演を開催する。

板橋区公文書館主催の講演会の様子

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 同館は東京23区初の区立公文書館として2000年4月に開設。開かれた区政運営を推進する目的から、同区の公文書や行政刊行物を歴史資料として収集・選別・保管・整理するほか、著名な民俗学者・櫻井徳太郎寄贈の民俗・歴史関係の学術資料、区民から公募した写真資料などを活用した企画展などを区役所庁舎や区立図書館等で開催。ここ数年は9月から10月にかけて、外部の専門家を招いた座学の歴史講演を行っている。

 9月28日午前は「大名家の相続事情-江戸時代の相続文書を読む-」と題し、多摩大学名誉教授・大森映子さんが江戸期の大名相続で重要な養子関係の手続きを解説。午後は「戦国大名の交渉力-幕府大名間の通交文書-」と題し、産業能率大学講師・浜口誠至さんが中世・室町期から戦国期に移り行く時代に取り交わされた将軍家や諸大名の文書をひもとく。

 10月5日午前「古代のムラに文書がやってきた」では、京都造形芸術大学講師・平澤加奈子さんが講師を務め、古代の遺跡から発掘された木簡(文字が記された木札)から文書を通じた行政の起こりについて講義。午後は川村学園女子大学講師・小林信也さんが「明治東京府文書に見る江戸民衆世界」をテーマに明治期の公文書から江戸期の床店(とこみせ)や古着市場の実態を解説する。

 同館職員の竹村到(いたる)さんは「公文書館と聞くと堅い行政資料ばかりを扱うイメージが先行しがちだが、区内外の歴史研究家や雑誌編集者、ライターや地域団体の方が区内外から足を運ぶような貴重な古文書や地域の歴史資料、写真データなどを数多く取り扱っていることを、もっと知ってほしい。今回の講演会では、各時代の公的文書をテーマに、時代背景と文書が果たした役割などを学んで、文書に対する興味関心を深めてもらえたら」と話す。

 開催時間は、午前の部=10時~12時、午後の部=14時~16時。各回定員45人。参加料は各回=800円、高校生以下・65歳以上・障がい手帳を持っている人=400円。参加申し込みは同館で電話(03-3579-2291)で受け付ける。

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